
「今朝は、点滴おねがいします」マミーがささやいている。
ダディが準備を始めるぞ。そろそろ二階へ逃げようか、逃げたとて無駄な抵抗なのだけれど。
最近は四日に一度と聞いているが、何だかすぐに来てしまうなあ。毎日、一日おき、三日に一度、そして今は四日に一度となり、順調に良くはなっているのだが、一週間に一度の理想の型にはなかなかならないのだ。何曜日、と決まっていれば、容易なのだろうが、ダディは一々覚えていられないらしく、いつもマミーがサインをおくる。
ボクの専任看護士としてのダディの上達はすばらしく、注射針はもう痛くはないし、(当初は飛び跳ねるほどだったが)工夫して点滴時間も短縮してくれた。でも、でも、やっぱり嫌だ、嫌なのだ。
今でも隙を見ては逃げ出すため、点滴中はずっとマミーが甘い言葉でごまかしなだめながら、確りボクを押さえつけている。
ああ、マミー「ジュテーム」は、もう聞き飽きたんだけどなあ、、、、 。
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