
「あれっ、おでこのところがこんなに毛が抜けて、赤くなってる」とマミーが嫌がるボクの前脚を押さえつけながら、強引に口を開けさせてサプリを与えているダディに言った。
何と、こんな光景が朝晩一日2回、3月の退院後、ずっと続いているのである。
「えっ、こりゃひどい! 明日病院に連れて行こう」
ということで、
翌朝一番で病院のドアを開けた。
どうせ、皮膚炎の軟膏をもらって終わりさ、もがくことはあるまい、と思っていたのだが… 獣医さんによると、今月はちょうど、一年に一度の定期健診の時期だという。「あっ、注射針だ! ああ、また採血かあ!」
軟膏、常用の点滴薬を押し込んだカバンとボクを押し入れたバスケットをタスキがけにし、ダディは軽やかに自転車をこぐ。
ということで、
検査結果の封書を待っていたダディは、昨夜ポストから取り出した病院からのその封筒を、今朝、おもむろに開封した。
「オー、85点! Pinot, well done! よくやった!」
結果がちょっと気になっていたようで、ダディは喜びの声をあげた。
マミーも「すばらしい、すばらしい!」を連発し、ボクはこの高得点に、我ながら少々照れる。
だが、ダディ曰く、「でも、先生のコメントには、家での皮下点滴の頻度と量は今のままがいいと思う、と書いてあるよ。現状維持かあ」
マミーはがっくりと肩を落とし、ボクはすかさず二階へと走り去った。
「今年は入院などで大変でしたが、今回の検査では良好だったので、一安心です、だってさ」と階下でコメントを読むダディの声がやさしく響いている。
15 December 2016
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