
近頃ボクは元気だと思うのだけれど、二週間に一度、病院に連れていかれる。
薬の量は一向に減らず、マミーはどうしたものかと頭を抱えている。なぜかというと、ダディがロケに出た場合、マミーだけでは、このボクとの格闘に勝つことは、極めて困難だからである。噛みつき、引っ掻き、キック、吐き出し、と、ボクは必死で一日二回の大量の飲薬を拒否する。マミーは、1対1の戦いに備え、ボクに気付かれないようにと、砕いたり、混ぜたり、溶かしたりして、日夜、実験を繰り返しているようだ。ボクの鋭い五感をあまく見てはいけない。
しかし、昨日、とうとう腎臓サプリメントの給与に成功した。
通常の2缶を1缶にまとめた改良新製品を購入し、ボクの大好物のウェットに混ぜ込んだのだ(一昨日はその新製品は水に溶けずに失敗した)。
「ムムッ、いつもと色が違うぞ!」
スプーン2が1になったので、ボクを騙せると思ったのか!
試しに鼻を近づけてみると、、、異臭はしない。一口食べてみたが、、、悪くはない。
そして、今朝は心臓の錠剤に取り組んでいる。
3錠を粉状にし、これはうまく水に溶けて、スポイトに。ボクはぎゅうぎゅうに毛布で巻き付けられて、
「ピノ、さあ、ご覚悟を!」
スポイトの先が押し込まれ、異様な液が口内に。飲むものか! すると、みるみるうちに泡となり、ぶくぶくと口から吹き出した。
さあ、今晩は、マミーはどんな得策で挑んでくるやら、お手並み拝見だ。